初恋 映画感想(ネタバレ)(この題名で本当によかったのか?)

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以前どこかであらすじを見て気になっていた映画「初恋」(2019東映配給)を見た。

「初恋」というのは映画でも曲でもよく使われる題というかフレーズなのでラブロマンスを期待してうっかり借りて見てしまったりするとびっくりするだろう。「初恋」というとあの宮崎あおい主演の映画が大絶賛されているのでこれと間違う人もいるかもしれない。実は自分も間違った。間違って見たわけでなくて宮崎あおい版の初恋を検索していたらこの窪田正孝版の初恋が先にヒットしてあらすじみたら非常にバイオレンスディープな話だったので逆に興味をもってしまったのだ。どうみてもやくざ映画なのだが監督(三池崇史)自らラブロマンス作品だと言っているのでラブロマンスなのだろう。

主要CAST

主演(レオ):窪田正孝

レオに助けられ一緒に逃避行するヒロイン(ゆり)(源氏名モニカ):小西桜子(3000人から選ばれたほぼ新人女優)

押収品(薬)横流ししてるはぐれ刑事(オオトモ): 大森南朋

所属する組の薬を横取りしようとするヤクザ(カセ): 染谷将太

ゆりを働かせているヤクザ(ヤス)の情婦兼ゆりの監視人(ジュリ):ベッキー

務所から出たばかりの武闘派幹部組員(ゴンドウ):内野聖陽

あらすじ(ネタバレ注意)

舞台は新宿と千葉。レオは捨て子だったボクサーで中国人の中華料理店でバイトしている。(この店は後でヤクザの組と抗争のあるマフィアとも関係があることが分かる)。レオは試合でダウン後病院での検査で脳腫瘍があり、もう長くないと医者(滝藤賢一)に言われてしまい自暴自棄になる。ゆりは父親の借金の方にヤクザ組織に売り飛ばされ出会い系の管理売春をさせられている。客との連絡用に持たされている携帯で常に居場所も把握されている。カセが所属する組は中国マフィアとの抗争がある。ゴンドウはイケイケで中国マフィアを潰したがっている。この状況の中カセは組が扱う薬をゆりが盗んで逃亡することに見せかけて薬を奪いオオトモを通じて金に変える計画をする。カセはオオトモを誘い、ゆりを客として呼び出しこ○してしまうことを依頼、さらに別の中国人も雇い、こちらはジュリを誘い出してこれもこ○してしまうことを依頼。ここから映画は一晩の出来事を描いていく。

カセは薬がヤスのアパートに届けられたところに顔を隠して強盗に入る。しかしここでいくつもの誤算が生まれる。薬は奪えたもののカセはヤスに顔を見られてしまいヤスをこ○してしまう。(しかも一連の行動は中国マフィアと裏で通じている組員城島に見られてしまっている)ジュリをこ○すはずの中国人は返り討ちにあってジュリにこ○されてしまう。(ベッキーが鬼気迫る演技をしてます)

オオトモと歩いていたゆりは父に襲われる幻覚をみて逃げ出し、追いかけたオオトモはたまたま近くにいたレオに暴漢と間違われて殴られ意識を失う。オオトモの警察手帳をみて刑事を殴ってしまったと思ったレオはゆりと一緒に逃げ出す。ちなみに気を失って倒れていたオオトモを助ける看護師の役で元℃-uteの矢島舞美がでている。

ゆりは高校の時にDV父を殴ったリュウジが好きだとのことでレオとゆりはとりあえずの逃亡先としてそのリュウジのいる千葉へと向かう。(初恋とはゆりの初恋のことを指しているのか?)

一方ジュリはヤスのアパートへ帰ってくるがヤスの死体を発見し、すぐ組に連絡、その時薬をコインロッカーに隠した後、組事務所に戻っていたカセは大声で「なんだと!」と芝居をうつ。組員達はすぐヤスのアパートに駆けつけるが誰がやったかわからず中国マフィアだろうということになり、カセはゴンドウの命でジュリを車で家に送ることになる。送る途中ごまかすのが面倒になったカセはジュリもこ○すことにする。(この時のやり方がジュリのシートベルトを外したあと急停車、急発進を繰り返しジュリをダッシュボードにぶつけて気絶させるエグいもの)ジュリを家に運び粘着テープで縛ろうとしたところまさかの同居のおばあちゃんに見つかってしまう。カセはとっさに老人を殴り(一撃タヒ)線香とロウソクと灯油と犬のおもちゃで即席の時限発火装置をしかけて家を出る。(なぜ犬のおもちゃがあったのかはなぞ。子供もいたのか?)

しかし灯油に発火して爆発する直前熱さで目覚めたジュリはとっさに窓から外に飛び出し難を逃れヤスをこ○したのはカセだと知り、復讐鬼と化し、裸足で街を疾走するのだった。(水スペの獣人バーゴンのような野生の動きだった。全くこの映画のベッキーキャラは秀逸だ)

一方カセは薬を回収してオオトモと合流しようとするがコインロッカーから薬を出した時に後を付けていた城島から拳銃を向けられ薬を渡すように脅されるが話術とスタンガンを使って返り討ちにする。「今日何人目だよ」と言いながら気絶した城島の頭を車のタイヤ前に寝かせて踏み潰すカセ。これもエグい。(カセの中では4人目だが一人は逃げているので3人め)ジュリは組事務所に駆け込みカセの悪事が組にバレてしまい、総出でカセを追うことになる。この時カセたちはゆりがもつ携帯アプリの居場所検知機能でゆりを追っていて、ヤクザ達はカセが持つヤスの携帯にジュリが入れた居場所検知アプリを使ってカセを追うことになる。この時の内野聖陽の演技が殺気を帯びながらも冷静な貫禄を放っていてうなりました。さらに城島から連絡受けた中国マフィアたちもゆりと薬を奪うためゆりの実家へと向かっており、かくして本映画の登場人物達総出で千葉へ集結することになる。

ゆりの実家に到着したゆりとレオだが中国マフィアの待ち伏せに合うが隙きをついてレオが敵を殴り倒し銃を奪い敵の仲間も撃ったところでカセとオオトモが乗った車が敵を跳ね飛ばしながら到着。わけもわからないままレオたちはカセ達が乗る車に乗り込み東京へ戻るように逃げ出す。が、走り出してすぐ組員とジュリ達が道を塞いでいた。バールで襲いかかってくるジュリ。すぐ反対方向に逃げ出すが今度は中国マフィアが待ち受けていて発泡されてカセが一発食らってしまう。カセ達の車は脇道にそれ逃げ、ヤクザと中国マフィア両方から追われながらホームセンターの駐車場へと逃げ込み、夜のホームセンター内で三つ巴の戦いが始まった。

しかし、ゆりとレオがホームセンターで隠れている時レオの携帯に医者からたくさんのメッセージが入っていてなんと別の患者のMRI画像と取り違えていて腫瘍ができていたのは間違いでレオはいたって健康だった!

ホームセンター内での戦いではゴンドーと彼が昔腕を切り落としたマフィアの殺し屋との激闘があり、からくもゴンドーが勝った。カセは中国刀で襲いかかる剣法の達人らしき敵を銃で倒す(ここインディージョーンズみたいでイイ)

しかしカセも最後はジュリに首をきられてしまう。頭が転がってニヤっと笑っていてエグいです。そのジュリも中国マフィアに撃たれてタヒぬ。

外には住人の通報によりパトカーと警官隊がぎっしり包囲していた。撃たれて負傷したオオトモは最後の望みをかけてバッジを見せながら警官隊に近づくが背後からマフィアに撃たれて銃撃戦になり流れ弾が警官隊にも打ち込まれ警官隊の反撃の一斉射撃によってマフィアもろとも撃ちタヒに。

レオはマフィアの幹部と格闘戦になるもなぐり倒す。(ここでとどめを刺さなかったのが気になった。復讐されないだろうか)その後ゴンドーと合流し車に乗ってホームセンターの3Fからダイブして逃げる。ここでなぜかナチュラルボーンキラーズのようななぞのアニメカットイン。

(西部警察の時代だったら実写でやったのかもしれないが今はコンプラとか予算とか色々制約あったのだろう)ゴンドーはレオの試合を見ておりレオを気に入っていてスカウトなんかされる。

レオらはパトカーの大群に追われるが薬を煙幕代わりに使ったりして。途中でレオとゆりだけ車から降りてゴンドウだけがパトカーに追われる役を引き受ける。ゴンドーはマフィアとの戦いの傷がもとで運転しながら力尽きる。東京湾横断道路の橋を流れていくパトカーの回転灯が美しい。

レオとゆりは夜明けの学校で血を流すために冬のシャワーを浴びる。その帰りの踏切で偶然リュウジに会う。が、リュウジはもう結婚していて妊娠した妻を伴っていた。

その後ゆりは薬中毒者更生施設に入り、レオはまたリングに上がった。今度はレオは勝利の喜びを全身で表せるように変わった。レオとゆりは一緒に暮らし始めるところでエンド。

見終わっての感想

これを見る前に読んだあらすじだと随分あっちこっち行って残虐に人がタヒんでいく映画で特に染谷将太が残虐な感じを抱いていたが、実際見てみると意外にも随所にコメディータッチな演出があり、陰鬱な感じになることはなく、なによりストーリーが目まぐるしく変わるので中だるみするところがなく最後まで一気に集中してみることができた。あと初恋というウエットな題に反して日本映画の最大の悪い癖であるお涙頂戴の場面で周りの攻撃が一切止むという謎の演出を廃したのはブラボーだ。

何目線だよ

スピーディーな展開にも関わらず筋も分かりやすい。やっぱりシンプルイズベスト。各々のキャラも立っている。特にベッキーの怪演が光っている

ベタな解説だ

しかしこの題名で本当に良かったのだろうか?これに変わる題名があるとしたら・・・

”デンジャーナイト”(昼ローでありそうだ)

”モニカとレオ”(ベタかな)

”あるボクサーの一夜”(一晩の映画なのでどうしても夜から離れられない)

そんなわけでおすすめ映画です。

初恋はアマゾンプライムでは400円でレンタルできます。

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