吉永小百合-雨の中に消えて-さようならの季節(映画レビュー)

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雨の中に消えて 1963年3月 小百合18才

雨の中に消えて

吉永小百合/川路あや子

笹森礼子/江原たか子

十朱幸子/桑田きみえ

高橋英樹/村田栄吉

これは良かった。プロットとしては秋田出身の友達三人(吉永小百合、笹森礼子、十朱幸代)で家をシェアしてる。そして三人の恋愛模様が描かれる。松原智恵子の「恋のつむじ風」に似てるがこっちのほうがなにか健全なつくり。とはいっても半分以上小百合の場面なのだが…

高橋英樹と小百合は大学生で最初友達関係だったが選挙の応援演説のバイトを一緒にすることになり、次第に近づいていく。

学食にて、うしろのガラスに書いてあるが昭和38年のランチは50円だ。(やっす)

選挙事務所に行くときは英樹が借りているバイクの後ろに小百合がのり、いつも抱きついて行く

白黒が多かった笹森礼子の美しさがカラーで見られて嬉しい。

礼子は編集者の仕事していて担当の中年の小説家が好き。でもその妻はべらんめえ調の菅井きんだ。小説家はなんとかして礼子とふたりきりの場面を作って迫るが礼子が一線を超えさせない展開が続く。そのうち奥さんの菅井きんから(今まで世話になった小説家を喜ばせるために)逆に小説家の秘書になってくれないかと言われたところで奥さんをリスペクトして健全な一編集者に戻るのだった。

洋裁学校へ行ってる十朱幸代は高校時代に雪山で好きな先生と温め合ってずっと抱きあったことが引っ掛かったままだった。(ちなみになぜか十朱幸代だけ方言が残っている)。そのうち先生が東京に出てきて十朱幸代の家に寄り、今度結婚する同僚の女教師からの言伝で雪山で抱きあってキスまではしたことはなんでもないのだと言いにきた。そこで十朱幸代はもう一度キスさせて「これでまた嫉妬深い婚約者に秘密ができた」と言ったあと、「本当はわたしも若い男をと普通の恋愛がしたかった」と泣くのだった。

三人のシェアハウスには度々高橋英樹が訪ねてきて一緒にすき焼き食べたり寝たりもしていた。(ハーレムかよ)

そこでの会話だが「なんとか君は童貞?」と際どい質問して「童貞だよ」と普通に答えてしかもそれが正しいと女性たちが喜ぶ描写が現代と180度違っていて面白い。(なんといういい時代!最高かよ!今だったら童貞なんて知られたら陰キャDTキモっ、くらいに変わってしまった。3S政策ここに極まれり)しかしまあ後で小百合には「あれは嘘で一回いとことしたことがある」と打ち明けて小百合が「嫌なことを聞いちゃった」と悲しむのだった。(やっぱりいい時代だ)

とにかくこの映画、このようなドキっとする会話があちこちにある。

最後のほうで、もう寝ようかと話していた時高橋英樹がやってきて「村田です」と言った時小百合が「やっぱり!」と言って嬉しそうに飛び起きて玄関に行くところが可愛くて何回も見てしまった。

はしゃいで迎えに行くところ笹森礼子が後ろからこんにゃろとばかりにパシンとオシリ叩くのも楽しい。

高橋英樹は親父が倒れたので家業のなにやを、継ぐかもしれないというので故郷へ帰ることになり報告に来たのだった。駅まで小百合がおくることになりその雨の道すがらキスする。終。

このキス待ち顔、青春のお通りより良い!

さようならの季節 1962年1月 小百合16才

さようならの季節

吉永小百合/殿村幸子

浜田光夫/三宅高志

香月美奈子/殿村加代子(幸子の姉)

松尾嘉代 /橋本節子(高志のいとこ)

日本のブラジル移民事業を扱った映画。今は栃木県なんかにブラジル人の町が出来たりして大量が問題になっているが日本は戦前からブラジルには移民を送っていたんだよね。小百合の家族はブラジル移住の船に乗るため東北の田舎から横浜へやってきた。浜田光夫はもともと小百合とは幼馴染だったが先に横浜の船会社(叔父が経営してる)で働いていた。住居は叔父の家で他の住み込みの従業員と一緒の部屋だ。また同じ家のいとこの松尾嘉代から惚れられている。

この松尾嘉代は奇麗だ。また小百合の当て馬役か。。

浜田光夫はやってきた小百合と港で再開する。

「やあ、さっちゃん」「たかしちゃん」ということで元々好き同士だった二人は大盛りあがり、だが小百合が日本に居られる期間はあと1週間しかない。移住の船が一度神戸にいって関西方面の移住者を乗せて横浜に戻ってくるまでも1週間、一家は横浜移住あっせん所なる一次宿泊施設で1週間寝泊まりするのだ。勿論他の大勢の移住希望者達と一緒なので皆二段ベッドで窮屈な生活だ。さらにブラジルへの航海は40日かかるという。

取り敢えず二人は再開してバイクで出掛けたりして楽しんだ

小百合には姉(香月美奈子)がいるがもう農家も移住も嫌だというので直前に男と東京に逃げていた。また小百合にはブラジル移住家族の人数規定のために偽装結婚相手の安夫がいた。

浜田光夫は好きが高じて小百合だけ日本に残ってくれと頼む。小百合を残すために逃げた姉を探して小百合の代わりにブラジルへ行ってもらおうとするが姉は逃げた男の借金10万円のために小料理屋をやめられないでいた。

小百合が居られる期限まで残り2日しかなく、浜田光夫は社長の叔父に10万円借りにいく。そこで松尾嘉代の前で小百合が好きだと言ってしまったことから松尾嘉代からビンタされる。

いつも当て馬ばっかりやらせやがってとばかりに全力振りかぶりビンタが炸裂

しかしこの松尾嘉代がいい人で浜田光夫の為に10万円出してくれるように親に頼んだ。

なんとか10万円を用立てた浜田光夫は姉を東京から連れてきた。これで二人一緒に居られると小百合を松尾嘉代の家で女中として住み込みで働く段取りまでつける。小百合を一度は家に連れてくる。ここで浜田光夫に一回船で輸送の仕事が入る。ここまで割りと順調に話が進んできたのでまさかここで浜田光夫か死んでしまうんじやないだろなと心配になった。しかし結局小百合は母親の説得とか一人ぼっちになる心配とかで家族と一緒にブラジル移住の船に乗ることを決めてしまうのであった。(えーそれじゃあ浜田光夫は現在通貨価値100万円をただ取られただけの形になるじゃん)

さいごの出港の場面、沢山の人、各県の旗。これは実際の移民船の出港を撮影したものだろうか。

船輸送から遅れて帰ってきた浜田光夫は小百合の置き手紙を松尾嘉代からうけとりビックリして今出港しようとしてる船の上の小百合を懸命に探す。

最後の最後で二人はお互いを見つけて手を降る。浜田光夫は叫ぶ。

「バカヤロー!」そりゃそうよなあ。

出港までの1週間を描いた映画でした。また小百合の偽装結婚相手は小百合に惚れたものの浜田光夫と一緒に残るために船に乗らないことを知るとなんもかんも嫌になって脱走して田舎に帰ってしまった。(小百合はこっちの男にも不義理をしてしまっていた。)

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