いぬやしき 実写 アニメ 漫画 比較レビュー(ネタバレ注意)

映画 ドラマ
スポンサーリンク

いぬやしき

GUNTZで大ヒットを飛ばした ‎奥浩哉原作漫画の一連の実写化、アニメ化原作漫画「いぬやしき」についてのレビューです。

私いままで食わず嫌いでした。今でも私の中ではGANTSが史上最高の漫画であるために次に出たこのいぬやしき、期待を持って読み始めたところ数ページで老人がサイボーグ化してヒーローになるとかのベタな展開、かつ絵面がずっとしわくちゃ顔が出ずっぱりになってることに耐えられず早々に離脱していたがたまたまアマゾンプライムビデオの視聴リストのプライム会員無料リストに実写映画版がおすすめとして入っていたのでみたところ面白くて一気見、ついでアニメ版も全11話もこれまたプライム会員無料リストにあったので3日で一気見、ついで原作も読んどこうと思ってゲオで借りてこれも3日で一気見、結局1週間で3媒体の「いぬやしき」を見てしまいました。

実写映画

 

アニメ

原作漫画

いぬやしき 1巻

いぬやしき 1巻

[著]奥浩哉

総合的結論からいうと派手な画をつくるためか展開が強引なところがあり、獅子神君が頭わるい感じになってしまっているのが残念。

だが面白い。面白くなければ3媒体一気見しません。

見た後でもいろいろとインスパイアされるものがあります。

1.映画版のストーリー

私はほぼ無情報で映画版から見たのでこの映画版を元に書いて行きます。出だしのもっさり感のところを過ぎてしまえばすごく引き込まれて行きます。映画のジャケ写みると主人公の老人は柳葉敏郎かと思ってたんですが木梨憲武でした。見た目老人メイクですが劇中年齢は58歳です。

出だしは木梨憲武演ずるW主人公の一人犬屋敷(名字)が58歳にしてマイホーム買って妻、子供二人と引越する場面から、この辺の出だしの描写が漫画、アニメと違って犬屋敷のダメおやじっぷりをことさら強調して描かれてます。年下上司に罵倒されるなど原作にない描写追加してます。妻役の浜田まりもアニメ、漫画と違って犬屋敷に対する当たりも冷たい。(この辺ちょい胸クソ)さらにガンもみつかり、余命3ヶ月の命です。これは原作、アニメ共同じ。

割と情緒の小道具的な犬(花子)も映画では家に迷い込んできてそのまま飼うことになり、自ら飼い主募集の団体に探しにいった原作と違います。

将来を悲観しつつ、夜に犬屋敷が犬の花子を連れて近くの高台の公園にいくと佐藤健(出演:るろうに剣心、半分青い)演じる獅子神がベンチに座っています。

映画ではこの辺の描写がなにか意味ありげで獅子神のセリフもなにもしゃべらないので獅子神が宇宙人で仲間を待ってたのかと思ってしまいました。この時点での獅子神は昔NHKでやってた「謎の転校生」と同じ「謎の少年」の扱いか?と思ってました。

二人でいるところにピカっと光って宇宙船らしきものが登場、二人は巻き込まれて吹っ飛びまず。映画ではヒトデ型宇宙人が3体写ってて宇宙語喋っててなんだかごまかされてますが漫画やアニメではこの時のことが

”この時の宇宙人は全くの通りすがりであって、この星の知的生命体をたまたま壊してしまったので急いで修復し、地球人には今後も無関係である”

ことが語られてます。

映画でその描写しなかったのは視聴者に対して後に登場する安藤と獅子神の事件関与のミスリードを誘ってからのどんでん返しを狙ったんじゃないかと思います。私もはまりましたから。(^^)

それと実写とアニメでは宇宙人は一瞬で二人をロボット化したような超テクノロジー設定ですが漫画ではなんと宇宙人は小さな人たちでガンツスーツ巨大腕を着たような人がロボットに組み立てていたようです。下図赤丸の部分

(引用:講談社いぬやしき第1巻)

まさに小人さんのお仕事です。

一瞬で終わったように見えたのは時間を操る技術も持っていたのでしょうか(であれば少し時間戻して別の場所に現れればそもそも主人公が死ぬことはない?)

 

公園の事件の後のシーンで引きこもりの安藤(演:本郷奏多(GANTZ等少々変人の役どころが多い))が登場してそこの家へ獅子神が遊びにくる。母親は獅子神のことを友達と知っててなんとかしてほしい気持ちから早く早くと招き入れる。

安藤は見るからに怪しい感じなのでなにか問題おこしてそうと思ってしまうがその安藤の眼の前で獅子神は宇宙人から得た能力とロボットになった自分の体を見せる。この一連のシーンが終わった後では、獅子神:危ない人 安藤:案外まとも とイメージが変わっており、獅子神の秘密を安藤に次々披露していくシーンでは私も安藤同様に驚いた。この辺は魅せ方がうまい。この辺りは実写版では完結に終わらせるためアニメや漫画と場面は進行が異なる。たとへば車動かすシーンではアニメは街中だが実写は目撃者がいない地下駐車場だ。

同時進行で犬屋敷のほうも自分の能力に気づいていくが獅子神のほうは犬屋敷が気づく能力を含めて覚醒していってた。簡単にまとめると

攻撃的能力

・指鉄砲の要領で離れた物体を攻撃できる。指ささなくても可能。多分念じるだけでエネルギーを対象に集中させて倒すことができる。テレビ、パソコン、スマホ等の画面を通しても発動できる。

・背中から超小型誘導ミサイルを発射できる。しかも水飲むだけで残弾を補充できる。

・大きな攻撃力を得たいときは腕がサイコガンのように銃口に変化する。

防御的能力

・人間の銃程度では全く効かない。小規模の爆発物も効かない

・大きな衝撃を受けると本人は気絶してしまうが自動で防御システムが働き対象を排除する自動攻撃が発動。

情報処理能力

・世界中のあらゆる情報手段(インターネット、電話回線、TV、無線回線)の遠隔取得が可能。衛生軌道外でも通信可能。逆にネットワーク上の情報やデータを書き換えることも可能。銀行の残高操作なども痕跡を残さず行える。

・機械や乗り物の遠隔操作が可能。

飛行能力

背中がパカっと開いてイオンジェットだかなんだかノズルパックがでてきて青い炎を噴射して空を飛ぶ。がこれはあまりリアルではない。背中から下に向けてジェット噴射しても上にはいかないで回転してしまうからだ。(一応腰のあたりにサブノズルがあって姿勢制御はするようだが)出川が”イッテQ”かなんかでペットボトルロケットを背負ってどこまで上がるかの実験したら壮絶に前につんのめっていた。実際には体重の中心点の両側にノズルがくるようにしないといけない。ロサンゼルス五輪にも登場した実用機の例

引用wikipediaより

ここは普通に反重力エンジンが入ってるってことでよかったのでは?最初の宇宙人も円盤に乗ってたことだし。

 

生物治癒

・原理はわからないが触るだけで動物や人間の病気、怪我を治せる。死ぬ寸前でも生命反応が戻ってくれば元通りの健康体に戻せる。(これはやはり魂があるないの違いか?)

燃料

水、ビールとか川の水とか多少の不純物が混じっていてもOK。ただし塩水は良くないようで味噌汁は腕から噴射していた。塩水が弱点とは犬屋敷が自分で言っていたので後で塩水で獅子神倒すので回収するのかと思ったら映画版ではそのシーンがある。水だけで不老不死かつ超能力発揮できるなんてエコすぎる。

 

以上のような能力により獅子神はもう神のような存在になっている。

実写版では「俺はスーパーヒーローだ」というセリフになっているがアニメ、漫画版等では

「アメリカのミサイルを中国に撃つように遠隔操作できるし軍にも警察にも余裕で勝てる。世界中の情報やカメラ映像を自由に見ることができる」

と自ら言っている。実写でははっきり言ってないがシーンをみれば情報を自在にあやつることができるとわかる。正直この能力が獅子神(と犬屋敷)の持つ能力のなかでは最強に有益な能力なのだがこれを使いこなさないで直接行動にしか移さないので私は最後のほうまでなんかもやもやしてしまった。

獅子神はこれだけの能力をもっていながらやることはきまぐれなこ○しである。特に実写版では本当にきまぐれな一回の過ちから一気に獅子神が窮地に追い込まれるんで何やってんだ感はかなりある。逆に犬屋敷は病院に行って死にそうな人たちを癒やして生き返らせている。ふたりとも生きてる実感を得たいがためという理由であるがまあ二人いたら対照的にしないと盛り上がらなくなるんでここはいいとして。

警察もばかじゃないんで獅子神が犯人だと突き止めて捕らえにきます。(いやこ○しにきます)

そして獅子神は警察との終わりのない死闘へと入っていきます。GTAで警察との戦いに入ったみたいにほぼ相手は無限湧きしてくるんで先の見えない戦闘です。獅子神が寝込みを急襲されたりして、最後は日本全部が敵だなんて言ってますがもうこの辺りははがゆくてしょうがない。

いやいや警察に追われてるんなら追われないためにどうするか、犯人が気にするのは警察の動向だろう、だったら警察内部のシステムに入り込めるんだからどこまで捜査が進んでいるかの情報はすぐ得られるし、警察の裏をかいていくことなんて簡単であろうし寝込みを襲われるとかありえんから。

それに結局警察や軍も所詮人間の組織だ。組織のトップのほうから捜査やめるように手を回して貰えばすぐ沈静化する。別に警察全部を相手にしなくても幹部数人くらいをおどして行けばいいだけ。。ましてスマホ画面とかで遠隔でこ○しができるんなら簡単だと思うが。これって現実でも起こってますよね。上級国民は追求されないゴニョゴニョ。

いやもうどうにもならなければ自分で言ってるように世界対戦でもおこして大混乱にしてしまえば余裕で逃げられるだろう。武力対戦にしないまでも金融、情報混乱を引き起こせば警察は機能しなくなるだろう。(ハリウッドなら確実にこの下りをいれてくるはず。)

そんなこんなで実写版のほうはやや強引なストーリー展開で最大の見せ場であるビル街の空中戦シーンをはさみつつ最後は獅子神も犬屋敷も生きているみたいに暗示して終わっています。

ここのシーンはエンドクレジットの途中に挟まれているので終わったと思っても続けて見てください。

アニメ、漫画ではここのラストシーン近辺は巨大小惑星の地球激突イベントと絡めて感動的な本当の終局として描かれており、ラストシーンは獅子神の贖罪的なシーンにもなっているためにファンの間では実写映画のラストシーンはこの小惑星絡みの話が抜けているため評判があまりよろしくないようです。

私は実写の終わり方でいいと思いました。むしろその前の獅子神落下後の決着ついたかなの部分で終わらしといてやっぱり生きてたーみたいな感じのほうがよかったかなと思いました。(もしや実写オリジナルの続編が作られるかもしれませんし。ランボーパターンですね)

小惑星絡みの話はトランプさん面白いです。最後は「もうなにしてもいいぞくそ野郎ども」ですからね。

 

2.アニメ、漫画版のストーリー

アニメ版はほぼ忠実に漫画通りのシーン、ストーリー、出来事が起こります。細かい背景とかも漫画に忠実でした。なので漫画読書はほぼアニメ版の確認といった感じ。

話全体の時間軸は数ヶ月分でしかないですが漫画の連載は3年間なので連載期間中にアメリカ大統領が変わってオバマからトランプになってました。

それとアニメ、マンガ版では犬屋敷対893の小ドラマ、獅子神が末期ガンの人とかを治癒して助ける小ドラマの下りがあります。実写映画では時間の関係でカットされていたと思われる。

3.キャストとキャラ(実写、アニメ)

実写版の主要キャラのキャストは

犬屋敷壱郎:木梨憲武

犬屋敷万理江(犬屋敷壱郎の妻):濱田マリ

犬屋敷麻理(犬屋敷壱郎の娘):三吉彩花

犬屋敷剛史(犬屋敷壱郎の息子):福崎那由他

獅子神皓:佐藤健

獅子神優子(獅子神皓の母シングルマザー):斉藤由貴

安堂直行:本郷奏多

渡辺しおん:二階堂ふみ

萩原刑事:伊勢谷友介

この中で好きなキャラは警察に追われる獅子神皓をかくまう渡辺しおんです。獅子神の親友だった安堂でも獅子神と別れ敵対したのに対し恋愛感情なのか善悪合わせ飲んでしまう性格なのか獅子神に対して協力的です。そういえばこの娘は実写だと最後は残念なことになりますがアニメ、漫画では獅子神の治癒能力で生き残りました。

あと実写版のキャストでおおっと思ったのは

獅子神の母、斉藤由貴です。写真集買いました。独特の雰囲気あります。父、は小林薫似の渋川清彦。小林薫だとばっかり思ってたのに小林薫のクレジットがないので結構探しました。犬屋敷麻理役の三吉彩花さんは水野朝陽に似てるなあと思いました。

アニメ版の声は犬屋敷壱郎に小日向文世さん、安堂直行には映画と同じ本郷奏多さんが出演してます。小日向さんいい演技してます。

犬屋敷壱郎:小日向文世
犬屋敷万里江:西宏子
犬屋敷麻理:上坂すみれ
犬屋敷剛史:朝井彩加

獅子神皓:村上虹郎

獅子神優子:加藤有生子
安堂直行:本郷奏多
渡辺しおん:諸星すみれ

アニメ版で個人的にすきなキャラはトランプ大統領です。「ALL FREE!」

 

4.実写、アニメ、マンガだとどれが良かったか

ベタですいません。これは多くのレビューにある通りアニメ版ですね。前にGANTZがアニメになった時は変に間延びした作品になってしまってたのでちょっと心配でした。この作品の原作は10巻完結に対しアニメは全11話と、マンガ原作は15分かからないで読めてしまうくらい大コマが多いマンガだけにどうなるかと思いましたが以外に飽きさせずにテンポよく、それでいてマンガ原作に忠実な作りになっていました。漫画に忠実すぎて漫画を後からみるとただの確認になってしまいました。

アクションシーンも緊迫感、迫力があります。

やはりマンガは10話完結ぐらいがちょうどいい長さだと思います。10話完結だと寄生獣とかもよかったですね。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました