血と骨、映画と小説の違いを表で比較

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映画「血と骨」はなかなかな衝撃作だった。映画は主人公金俊平の後半生しかないので前半生もある小説版も気になるところ。なので原作小説文庫版も読んでみました。小説は上下巻合わせて1000ページくらいある大作で映画版とは幾分違いがあります。この記事では表形式で比較してみたいと思います。小説読む時間がない人、また小説自体に読ませる力があるのでこの記事を読んだ後でも楽しめると思います。


話の流れをわかりやすくするため主人公の金俊平の年齢を基準に比較します。

年齢 映画版 原作小説版
~30才頃 日本に向かう船上の金俊平のカットのみ(演:伊藤淳史) 15才頃故郷の済州島から出、朝鮮本土で5.6年放浪後、20才頃大阪へ渡ってきた。最初は和歌山の伐採場等の日雇い労働で各地を転々とするが30才前に大阪のかまぼこ工場でかまぼこ職人として働いている。
30~40才
(戦前)
金俊平がいきなり家に帰ってきて家にいた妻の金英姫に暴行を働く。戦争が始まるとどこかに失踪した。 女郎の明美を見受けするも逃げられる。同じ済州島出身の同村で以前のあこがれだった金英姫が飲み屋を開いているのを日本で見つけ強姦、その後本人の承諾を得ずに結婚式に引っ張り出して半ば無理やり結婚。その後飲む打つ買うで金英姫から金をせびる日々。家にはあまり帰らず愛人作って外に子供を作ったりもしている。この頃やくざ十人と一人で死闘を繰り広げる。
英姫は俊平の男子を出産するが突然の発病でしんでしまい、俊平から暴行を受けたあと1年ほど逃げ周りボロボロに、途中山の廃寺に身を潜めていた時に花子を出産。その後近所のヨンエ婆さんのとりなしで英姫は家に帰り、数年後著者である成漢を出産。その後三女の敏子を出産。
30~40才
(戦時中)
従兄弟の高信義が太平洋戦争に出征する。 一度高信義の嫁の明美のいとこの美花を愛人として家に住まわせたりしている美花は売春したりが俊平にばれて暴行されて逃亡。この頃長女の春美が結婚。
英姫は警察に便宜を図りつつ闇で飲み屋を開き繁盛するも別の所轄にばれて逮捕。俊平は子供三人を連れて東京へ逃亡。俊平は東京にアパートを借りるが自身は博打の手入れで捕まってしまい、収監されている間に3人の子供のうち敏子が餓死。警察からの連絡で春美の夫の韓容仁が東京に迎えにきた。その後英姫が釈放。俊平は今度は成漢だけを連れて疎開するといって岡山へ、その先の宿で昔逃げられ、結核を患う女郎の八重と遭遇、しばらく山の中の捨てられた農家で暮らして八重を看取る。その後一度大阪の家に帰るもまた成漢を連れて知り合いのいる九州へ。その後あちこち転々とした後また大阪へ帰ってきた。家は空襲で焼け出され、家を転々。この頃英姫は末子を出産するも疎開先の奈良の家の3階から転落死。この頃俊平は黒い鞄を下げて家を出るようになる。
40才~50才(戦後) 俊平は戦争が終わった頃にまた家に帰ってくる。 一家は大阪の朝鮮人長屋に引っ越し。英姫は朝鮮人に占拠された闇市で米軍品売買等の商売を始め、その後また居酒屋を始めた。俊平は戦後すぐに朝鮮各地を見て回ったがまた大阪に帰ってきて暴力をふるった。この頃親戚の朴顕南から蒲鉾工場をやらないかと俊平に話があった。英姫は統制品の闇売買で儲けた。俊平は相変わらず家族に暴力を振るい花子は殺鼠剤を食べて自殺未遂。
40才~50才(戦後) 急に思い立ったようにかまぼこ工場をやると言い出し、借家だった家を破壊、改造して工場をつくる。起業資金4千円は金英姫に出させた。(金英姫は闇商売や頼母子講で金を作るがこの過程は省略)この頃かまぼこ工場は許認可制だったが映画では認可を取る過程は省略。)息子の正男は文盲の俊平に変わって帳面付などで手伝う。娘の花子は職人のまかない作りなどをやらされている。工場は大いに儲かった。 俊平は蒲鉾工場開業を決め、英姫から当時4万円、現在価値3500万円を出させた。英姫は頼母子講の親になることで資金を調達。俊平は朝鮮人組合の幹部になっていた娘婿の韓容仁に蒲鉾工場の認可を朝鮮人組合の圧力で大阪市から認可を取らせた。俊平は住居の向かいの空き家を購入し、蒲鉾工場の設備を整えた。韓容仁が蒲鉾工場許認可の脅しとして始めた朝鮮員デモは数千人の規模に膨れ上がり、大阪市当局も折れた。苦労した韓容仁に対して俊平の礼金はたった百円だった(現在価値10万円程)朝日産業と名をつけて操業開始した工場は莫大な利益を生んだ。
40才~50才(戦後昭和20年代前半) 雨の日俊平の息子だと名乗るヤクザの武が帰ってきた。武は情婦の早苗を呼んだ。小説では早苗は紫のスーツとヒールの派手な格好で現れるが映画ではおとなしめの格好。武は家を出ていく際、俊平が壁に隠していた金を見つけて問い詰め、雨の中格闘の末追い出される。十日後広島で死亡したと成漢の独白が流れる。 しかし俊平は儲けた金をあまり家族に還元せず賄い婦を雇って情婦にしたり税金滞納したりした。
また豚肉を腐らせたものや独自の精力食を作って食べた。
ある日朴武(たけし)という男が訪ねてくる。俊平が戦前広島の港湾荷益夫だった時にあった同村の権忠益の妻で村一の美人の朴京華を強姦した時にできた子だった。武は対立する組員を殺傷したあと逃亡中で手引したのは腹違いの武の兄で職人の宮本春男だった。銃も持っていたが母の仇の俊平を撃つためだった。武は金のことで俊平ともめて大喧嘩の末追い出される。武は追い出されて10日後に対立していた組員から飲んでるところを殺害された。
武と一緒に宮本も追い出したので他の職人の負担は増えたが俊平は賃金上げることなく労働を強いた。たまりかねた元好男が俊平を包丁で刺し、俊平は棍棒で好男の頭を殴る。からくも二人は助かる。
50才~60才(昭和20年代後半ー昭和30年代) 俊平の精力剤の豚の腐肉を作る描写の後、別宅を買い戦争未亡人の愛人の清子と住み始める。自転車に清子乗せて周囲に見せる。英姫は行商して凌ぐ。蒲鉾工場の職人達はヒロポン打ちながら頑張るも俊平に脅され反抗した元山吉男は俊平から焼けた石炭を顔に押し付けられる。俊平は金貸しも始める、英姫は食堂始める。この間2年 英姫は酒商売をまた始めるがあまり儲からず、短期間ヒロポンの密造を始め借金を返した上蓄財した。
俊平は英姫の家の近くに家を購入し、戦争未亡人の清子を愛人にして住まわせる。
ある日いつもの腐った豚肉を食べていた俊平は上下の歯が全部抜け落ちる病に倒れる、菌が脳に回ったのだという入院になり闘病生活は半年になり、職人も辞めて行き、蒲鉾生産も競争になり儲からなくなり、俊平は工場を閉めた。
俊平は子供のできない清子をなじり、食って子供を生めと腐肉を無理に口に入れる。清子は脳腫瘍になり入院。俊平はうさはらしで英姫の家に押し入り暴れ、花子を階段から突き落とす。花子は殺鼠剤で自殺未遂。正男は俊平を包丁で襲うも失敗。俊平は蒲鉾工場を廃業。金貸しに専心して過酷な取り立てをする。花子は俊平から逃げるために本意でない結婚する。清子は廃人になって帰宅し、俊平が世話する。俊平から金借りていた工場主は自殺。 退院した俊平は入れ歯になったが体力は回復して金貸しを始めた。文盲の俊平に変わり、書類事は清子がやった。俊平のやり口に自殺者も出る始末。清子は子の産めない体とわかり清子は俊平の暴力から逃げる為英姫の元に逃げ込んだ。
成漢は俊平と格闘し、入院した。俊平の娘花子は22歳で結婚した、
清子はめまいから物忘れするようになり、脳腫瘍が見つかった。残り1,2ヶ月の命と診断され、摘出手術をしたが後遺症により、寝たきりでしゃべれなくなった。
俊平は経営難になっている会社の債権を元従業員で今はやくざの元山吉男に売った。
60才~70才(昭和30年代-40年代) 定子が愛人兼清子の世話係として俊平の元にくる、連れの子供は小説より大分年上。5.6年経過後定子は俊平の子供二人産んでる。清子は階段まで自分で這って転落。俊平は濡れ新聞紙で清子の顔を押さえて死なす(正男目撃)。正男は親戚の養豚場へ家出。 俊平は甥に清子の世話をさせる女を探させ、一人子連れの鳥谷定子が俊平の家に入った。この時俊平58歳その後俊平は62歳で定子を妊娠させ二女出産、その3年後に3女出産。俊平65歳の1月2日酒に酔った俊平は清子の顔にドスンと腰をおろしグチャと音がして清子は死んだ。老医師に死亡診断書を書かせて周囲には寿命ということにした。俊平と定子は3軒隣に引っ越した。
英姫は癌で入院。正男は俊平に治療費を頼みにいくも断られ喧嘩になり互いの家を壊し合う。定子は俊平の男の子を出産。成漢は花子の夫に金借りて事業始めるも返さず花子は夫に暴力振るわれ正男に返金するよう頼みに行くも断られ自殺。 英姫は末期の子宮癌になった。成漢は俊平に治療費を出すよう頼むが断られ、喧嘩になり、互いの家を壊しあった。英姫は67歳で死亡。子供の花子は離婚し再婚後酒乱夫に耐えられず自殺した。
花子の葬儀に俊平が棍棒持って殴り込みにくる。その最中俊平は脳梗塞で倒れる。 定子はその後も俊平の子を産み、4女の後待望の男の子、龍一を産んだ俊平68歳
70歳ー80歳(昭和40年ー50年) 俊平が入院中に定子は俊平の隠し金を使い込み、帰ってきた俊平と喧嘩になりステッキで俊平を殴った後子供連れて家出。 ある日の朝、俊平は立てなくなった多発性脳梗塞になった。定子は俊平につらく当たるようになり、預金通帳も奪った。定子は贅沢品、ホストクラブ等に金を使った。
俊平は一人で金貸しを再開、金返さない印刷屋の手形を元蒲鉾職人でやくざになった元山吉男に売った。
英姫は癌で死に葬儀場の外から俊平が見に来た。
ある日喧嘩のもつれで定子が俊平を桜の棍棒で叩きのめし長女だけ連れて家出した。俊平は高信義らに相談し、その頃東京にいた成漢を呼んだが物別れに終わった。
俊平は温泉街のビリヤード場で働いてる正男と関係を戻そうとするも破談し、定子に産ませた龍一を連れ去り多額の寄付とともに北朝鮮に移住。 俊平は北朝鮮に移住することを決断、高信義に相談莫大な寄付と1男2女とともに北朝鮮へ渡った1973年
1984年俊平北朝鮮北方の地で死す。 俊平は帰国後3年後に病死、1984年に母を探す俊平の子供達のことが日本の新聞に載っているのを成漢が見つけた。

いかがでしたでしょうか。映画版のほうは冒頭のビートたけし扮する俊平が家に帰ってきて鈴木京香扮する英姫を襲う衝撃の幕開けから独特の迫力で最後まで見せます。小説のほうも大作ではあるのですが読み始めると飽きずにもりもり読めます。上巻は映画ではほとんど描かれない俊平の若い頃なのですがこちらも鬼気迫るものがありました。

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映画では残念なことになってしまいましたが私はここにでてくる田畑智子が可愛くて好きです。先日(といってももう1年前)電車のドア付近に田畑智子似のかわいい女性がいてその日はほわんとなってしまいました。

うつで更新が遅れていたせいかこの記事書くのになんと1年半もかけてしまいました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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