サムライの子 1963年2月 松尾嘉代20才
松尾嘉代/ヒロ子 浜田光夫/マキタ 田中鈴子/田島ユミ 小沢昭一/田島太市 南田洋子/田島やす
本編の主人公は田中鈴子演じるユミである。舞台は北海道。松尾嘉代と浜田光夫はユミが暮らすサムライ部落のカップルでこの2人が度々ふたりでおお笑いするのがこの辛い設定のなかでの安堵材料となる。

ユミの母と父は離婚して病気で死に、ユミは祖母の元に預けられていたが祖母も死に、父が住む小樽のサムライ部落と呼ばれるバラック小屋に行く。父(小沢昭一)はゴミ拾いが生業。ユミの小学校転校の手続きもしてくれないので自分で行った。継母の南田洋子は少し頭が弱いがユミには普通に接してくれてるので良かった。正直これなら児童養護施設で暮らしたほうがましなのでは?と思った。

小沢昭一は「大出世物語」では同じ貧乏でも良い役だったがこれは酷い。でもなぜか不思議なことに途中で浮気相手の女を家に引っ張り込んで南田洋子と喧嘩したりしてる。(なぜこんな貧乏を好きになる女がいるのだろう?)
ここまででもかなり見るに堪えない可哀想な感じなのだが映画中盤から野武士と言われてる窃盗なんかでやっと生きてる集団が隣の旧兵舎のバラックに行政から強制移住させられてくる。そこの子供は小学校にも通ってなくてつねに真っ黒ボロボロ。食事はゴミ捨て場から拾い食いでなんとか命をつないでいる。子供の扱いはゴミのようで、「弟は寝小便して外にさ出されたら翌朝凍死していた」という悲惨さ。そこのミヨシ(高橋千栄子)とユミは友達になる。

正直泣いた。酷すぎる。児相はなにをやっているのだ?しかしミヨシは養護施設は嫌だと言った。ミヨシの父親は当たり屋のろくでなしで後半浜田光夫が乗り合わせていたバスに引かれて死んてしまった。ミヨシは1人になったが意外にうれしそう。結局ミヨシは旭川の親戚に引き取られ、小沢昭一は浜田光夫から金を貸してもらってリヤカーを買い、親子3人でスクラップ屋をやるためリヤカーを押していくところで映画は終わる。
ところでこのサムライ部落というのは調べたら明治の終わりごろから北海道各地に点在しており、この映画の小樽、旭川等にあったとのこと。昭和40年代に行政が公営住宅等を斡旋したりしてなくしていったとのことだ。
若いふたり 1962年11月 松尾嘉代 19才
松尾嘉代/庄司節子 山内賢/佐倉次郎 北原謙二/中原謙二 小高雄二/庄司俊吉 市川好郎/庄司幸次
70分程度のサブピクチャー映画なのだが、なかなか良かった。純愛ドラマという感じで白黒ではあるが松尾嘉代もすごくきれいに映っていた。ただ画質は悪い。

松尾嘉代の兄が小高雄二でドラマーであり、ドラマー志望の青年山内賢の憧れだ。二人は松尾嘉代が化粧品の路上販売しているところをやくざに絡まれ、通りかかった山内賢が助けることで知り合う。(ありがち)最初は小高雄二が嘉代の兄とは知らなかったが小高は麻薬にはまり、演奏中に禁断症状が出て店(ジャズ喫茶)から降ろされる。そして急遽ドラムを練習していた照明のバイトの山内賢が代わりにドラムを叩くのだが思いもかけずお客に大受けして一気に売れっ子になる。(当時は洋楽一般をジャズと呼んでいたが、ここではほんとのジャズのインストルメンタルの演奏だった。嵐を呼ぶ男といい、ドラマーが主役というのも当時の習慣なのだろうか)小高はいつもの深江章喜に脅されて麻薬代をせびられているし、松尾嘉代の父親は病気になてるが貧乏で入院できない。そこを松尾嘉代を好きになった山内賢がギャラを出して救ってやるのだった。市川好郎が嘉代の弟役でいい味出してる。
このあたりが山内賢と松尾嘉代がお互いに好き同士になっていく心の過程がなんとも言えず叙情たっぷりに感じられて良かった

山内賢は大学生設定で社長の息子で上流の設定で、松尾嘉代は姉の初井言栄から山内賢と別れてくれと言われて自暴自棄になり、え?またじさ〇エンド?と思わせられるも二人の思い出の伊豆で山内賢と再会してハッピーエンドになるのだった。

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