青春のお通り 1965年7月 智恵子20才
松原智恵子/駒井中子 あだ名キドリン 四国松山の老舗旅館オーナーの娘、失恋したばっかり
吉永小百合/南原桜子 あだ名チャッカリ 本作の主人公
浜川智子/青柳久子 あだ名ケロリン 旅行代理店勤務兄の青柳圭太と一緒のアパートに暮らす
浜田光夫/青柳圭太 声優、ケロリンは妹、チャッカリとキドリンから好意を持たれる
松原智恵子の映画レビューの記事を書こうと思うきっかけとなった映画。
主演は小百合で智恵子は脇役です。
舞台は大阪なのでみんな関西弁で演技してます。浜田光夫は三人の美女に囲まれてうはうはですが、今回の浜田は妹のケロリン以外には敬語でしゃべっていてかなりの好青年役。浜田はしばらく美女三人と1つ屋根の下に暮らすという漫画でよくある展開。三人のうちの一人は浜田の妹なので智恵子と小百合で浜田を取り合う関係になる。
チャッカリ、キドリン、ケロリン、それと浜田演じる圭太は一緒に寝泊まりする
ところで今までは吉永小百合はそれほどでもなかったのだがこの映画みると小百合の魅力というものがわかった。小百合には智恵子にはないぱーっとした明るさがある。
本作では夏の設定なのか小百合のノースリーブ姿が多くてよき
とはいえ智恵子は本編では本当の実家の旅館の娘と同じ役でお嬢さまでありながらよく気がついて浜田に何くれとなく世話を焼く理想的な女を演じている。挙げ句に婿にしたいのか実家に引っ張っていくという。主人公の小百合は売れっ子脚本家の住み込み家政婦で浜田と離れていてやきもきする。
「ベーゼ(キス?)許したげる」と浜田に言っていい感じになるも・・・
その時智恵子が買い物から帰ってきてベーゼチャンスがふいになる(お約束)
しかしツンデレキャラなので強がる。最後は浜田が戻ってきていいかんじでおわる。(ちなみにケロリンは高給取りの子持ち営業マンと恋仲になり結婚しそうなところまて描かれる)
これ見て思ったのは小百合のほうが感情の表現のふれ幅が大きい。それと庶民派なんだよな。智恵子は高嶺の花という感じだが百合子は隣のお姉さんという感じで近づきやすい感じ。別な言い方をすれば百合子が太陽で智恵子が月という感じか。最後のほうで浜田が「やはり小百合のほうが好きで気になって仕方ないんだ」というと素直に喜ぶ。ぱあっと明るい笑顔になる。
映画終盤浜田が戻ってきてやっぱり小百合がいいと言われて喜ぶ小百合
こういうところが受けたのだろう。現代ドラマでももっと素直な感情表現にしたほうがいいのではないか。日活青春路線では百合子の作品が多いのもうなずける。
でも私は智恵子のほうが好きですよ。しっとりしてどうしても気になるというか、より女らしいほうが好きなもので。
青春のお通り 愛して泣いて突っ走れ 1966年4月 智恵子21才
(キャストは1作目と同じ)
前年の青春のお通りの続編である。キャストも小百合の住み込み家政婦の家の奥様が変わっているだけでほぼ同じ役者。小百合の姉はミュージシャンとの子供だというの黒人の赤ちゃんを連れているという一作目とは少し変わった設定となっている。一作目で自殺未遂していたがこの赤ちゃん妊娠してたから?それでもなにかつながりが少しおかしい。
映画前半、智恵子は浜田の団地に押しかけて、次の日来た小百合に「昨日は一緒に寝たのよ」とか照れながら煽りまくり(この時の畳の部屋での小百合と智恵子の両立がなんかいい。(〃’▽’〃)二人は同じような身長だとわかる。)。
二人の美女から世話を焼かれる圭太(浜田光夫)。サテンのブラウスの智恵子が色っぽい
「圭太さん昨夜は悪い人やったわあ」とか言って小百合をあおる智恵子
小百合は、二人にビンタして傷心の船旅に出てしまう。(勿論浜田は何もしてない)
物凄い偶然で同じ船に智恵子、小百合、浜田が乗り合わせてあたふたする。浜田は智恵子と同じ船室で「もう覚悟はできてますわ。」としとやかにお誘いされるが何もしない。本作の智恵子は挑発的である。(浜田あり得んなー。大きな運を逃したな)
智恵子の実家の旅館へ向かう船室の中でキドリン(智恵子)に迫られる圭太(浜田)。日活はほんと男の夢をそのまま表現しますなあ。
この時の智恵子は出来るだけゆっくり喋る演技をしていてほんとに良いところの家のおっとりしてるけどやることはしっかりやるというお嬢さまを演じている。浜田は一回は智恵子の旅館にいくものの、やっぱり戻ってきて声優はやめて建設会社に就職している。当時の大卒だからかいきなり現場監督になっていたが。またまた偶然小百合と会って「好きだ」と何回も言い、小百合は「言わせ立った」とご機嫌である。
圭太(浜田)から「好きだ」と言われてハッとするチャッカリ(小百合)。(本当に黒人の赤ちゃんを抱いている)
最後は住み込み先の脚本家も突然死してしまい、黒人の赤ちゃんと両親は小百合が知り合った金持ち画家の曽根に世話になることになり、連続物物語としては一応終わる。
青春のお通りシリーズのこの2本は恋愛コメディドラマとして今見ても全然楽しめる映画である。
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