堂堂たる人生 1961年10月 いづみ25才
芦川いづみ/石岡いさみ
石原裕次郎/中部周平
長門裕之/紺谷小助
中原早苗/弘子(いづみとライバルになるバーの女)
宇野重吉/老田和一(裕次郎他が務めるおもちゃ会社社長)
芦川いづみ本格的に見ようと思ってシリアスなもの二本見てしまった後だけにこの典型的な会社員ラブコメディーがすごく清涼剤的に楽しく見れた。ワンクールテレビドラマ化してほしいくらいだ。それとカラーだというのがいい、やはり当時の日活は裕次郎映画には優先的にカラーフィルム使ってたのだろう。いづみの美しさ可愛さアップである。ツンデレいづみと女にも男にもモテモテ裕次郎のラブコメディーです。
いづみは浅草寺でバスガイドの友達と話していると足元に橋ってきたおもちゃの車に友達が葦をとられてひっくり返り、いづみと裕次郎は軽くバトって別れる。裕次郎は会社社長の行きつけの寿司屋に同行するが、その寿司屋の親父の娘がいづみであった。二人はお約束の再会をした。
(寿司屋の親父は桂小金治ですごくいい味を出しているが筆者の記憶にある桂小金治はアフタヌーンショーの司会しかない。フジテレビの「ママと遊ぼうピンポンパン」でカータンと絡んでいる姿しかない。この頃で既に25才の娘の父親役ってことはここから10年後くらいのピンポンパンでは結構な年でピンポンパン体操してたんだなあ。)
(ピンポンパンは坂本新兵さんでした。(^^))
いづみは裕次郎のおもちゃ会社にOGとして入りたがっているが会社はもう潰れそうな状況でいづみを雇う余裕はない。(そんな状況でゆったり寿司屋になんか行くようだから潰れかかるんだよとは想うがまあ、ストーリー的に良いとしよう)
このあたりのやりとり、いづみがプクッと頬を膨らまして怒り顔になったりしてかわいい。一緒にいた長門はもういづみにホの字である。
裕次郎は社長から厳命で前に恩を売った大阪のおもちゃ会社に200万円の融資の交渉にいくことになる。いづみは強引に裕次郎と長門と一緒についていくのだった。
長門は浮き浮きでいづみにちょっかいかけるもいづみは裕次郎に感心があるようだ。(コメディ担当の長門だった)行きの特急電車で都合良く裕次郎の学友とバッタリ会い、そいつが研究してるという夢の固形燃料をネタに200万円借りる作戦を立てる一行。200万の融資どころかあれよあれよとフィクサーの東野英治郎からも見込まれて250万の資金を借りたりと、やること成すこと大成功の裕次郎。
東京に帰ってきてから新しいおもちゃのアイディアを思いつくも徹夜で図面書いていたため風邪になり寝込む。「給料を持ってきただけよ」と給料復路持ってツンデレのいづみが御見舞にくる。(他人の給料持っていかせてしまう会社もあれたが裕次郎の給料袋の雑な扱いが気になった。あれはどういう演出なのだ?金になんか執着しないおおらかな男だとでも言いたいのか?あれではお金に嫌われるぞ?)
裕次郎は小池さんなみにチキンラーメンを買い込んでてそれを毎日食ってるとのことで風邪引いてそれすら作る気力がないのだという。棚をいづみが開けるとチキンラーメンがあふれてきた。
いづみが裕次郎にチキンラーメンを作ってやる後ろ姿が長尺で映し出される。(いやせめてネギくらいは入れてやるくらいの気づかいは欲しい。ほんとにお湯入れるだけだった。しかも沸かしもしないでポットから注ぐだけ、あれではぬるくて麺がほぐれないぞ)
新婚気分で二人でラーメン食べてると裕次郎にぞっこんの弘子も部屋を訪ねてきてとたんに機嫌が悪くなるいづみ。なにしてるのかと弘子に問い詰められると「寿司屋の付けを取りに来ただけ」と不機嫌にいづみが答えると「そうだよ」と乱雑に給料袋の封を切ってお金をいづみに渡す裕次郎。 (ドラマでよくある二人は恋人ではないアピールだがこれは現実では真似してはいけない。「いやだっておれら付き合ってるもんねえ」くらい言えるような図々しさがないと彼女はできない)
いづみが怒って外に出てくと弘子は裕次郎の布団の上に乗って烈しく迫ってきた。今にもキスしそうなところでもう一度いづみがドアをあけて帰ってきて見られてしまった。
いづみは裕次郎をビンタする。(この辺のいづみの目線の演技が細かい、始めてすし屋に来た時もそうだが中原早苗にもチラチラにらみながら演技している。)
ビンタした後さっさと帰ってしまったいづみを茫然と見送る裕次郎と中原早苗。
いづみが帰った後裕次郎は弘子の前でいづみが好きだと言ってしまい、弘子にもビンタされる。実に分かりやすくて微笑ましい(*^_^*)
いづみは完全に怒り、家に帰って両親にも話して裕次郎はもう寿司屋に出入り禁止だと言い出す。
その後裕次郎は寿司屋に訪れるが親父の桂小金治は裕次郎の味方でウインク連発しながら裕次郎に文句言うシーンが面白い。その頃アメリカのおもちゃ王が日本に来日するというので裕次郎はいづみに1ヶ月だけ休戦して一緒に裕次郎考案のおもちゃを売り込もうと提案。内心嬉しいいづみはしぶしぶ承服。邪魔してくる藤村有弘をいなしながらアメリカのおもちゃ王への売り込みは成功して2万ダースの注文が入り、会社は持ち直した。煙出す機関車をドイツのおもちゃコンクールに出してはどうかとアメリカおもちゃ王から提案があり、いづみ、裕次郎、長門の三人はご褒美とばかりにドイツ出張へいくのだった。
嫌なものも忘れてしまう楽しい映画だった。
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