太陽が大好き 1966年5月 太田雅子19才
太田雅子/竹山栄子
浜田光夫/松下宏
芦川いづみ/谷本さちこ
青春真っ盛り的な明るい映画を予想させる題名だが、内容は重い。閉山してしまった鉱山で働いてたが、今は職を失った親をもつ太田雅子と浜田光夫、バラックのような長屋に住んでいるが明るく毎日を送っている。
太田雅子は昼はバイト、夜は定時制高校の3年生だ。浜田光夫は中卒で鉱山で働いていたようだが閉山後は色々な職をして糊口をしのいでいた。光夫の親父は働きもせず博打好き。もうすぐ別の鉱山へ行こうとしている。光夫と雅子は恋人同士みたいな感じの関係で光夫は雅子のため、親父にはついて行かず地元での職探しをする。
太田雅子は逞しく明るい。途中知り合いのアイスクリーム売りが通ると立ちはだかって車を止め、なんだかんだ言ってアイスを二人分せしめてしまうのが印象的。アイスやスプーンのゴミをポイポイ道に捨ててしまうのは時代だなあ。
一方芦川いづみは雅子の兄とイイ関係であるにもかかわらず周りの働き口のために望まない婚約をしようとしている。
場所のモデルは福島県沼尻鉱山らしい、沼尻軽便鉄道が何度も出てくる。ゆっくり走り、車内は狭く、なぜか芦川いづみとかは切符もなしに車体はしから乗り降りする。
作中街と長屋を行き交するのにいちいちこの軽便鉄道を使っている。これがなにか妙に郷愁をくすぐる。客車の端にも自由に出れる。自由っていいなあ
最後のほう、光夫と雅子が就職した染め物工場の運動会の賑やかな場面から光夫の親父のせいで光夫が窮地になる場面になるおおきな悪いドンデン返しがあり、鑑賞後はあまり後味がよくない。
雅子もこれからは明るい未来がくるという感じではなく普通の毎日で終わる。映画の途中「水着喫茶カトレア」で雅子が働く、働かないという会話があり、気になっていたのだが最後のほうになって露出高い服でカトレアで給仕する雅子が映った。(・∀・)
光夫の親父にとられた3万円のためにカトレアて薄着になる雅子。(水着じゃないじゃん)
絶唱 1966年9月 太田雅子19才
太田雅子/橋本美保子
舟木一夫/園田順吉
和泉雅子/小雪
のちに三浦友和、百恵でもリメイクされる名作。1966年の興行売り上げ2位だそうだ。大地主の息子の舟木一夫が使用人の和泉雅子に惚れて身分違いの恋愛の悲恋を描いた作品。太田雅子は舟木一夫が政略結婚する相手の娘役として登場。
極貧の娘から富豪の娘へと振れ幅が大きい。
舟木一夫のことが好きだが、冷たくされてしまう。危うく意地悪娘として描かれそうになるが、なんとか微妙なバランスで憎まれ役にならずに済んだ。
この登場シーンが最後。太田雅子はともするとキツい女とも見れてしまうから危ない。
前半に2回ほど登場場面があるが以降は出てこなくて後は和泉雅子と舟木一夫の死人との結婚式などが描かれる。
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