芦川いづみ-無法一代-江戸の小鼡たち

映画 ドラマ
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無法一代 1957年3月 いづみ21才

無法一代

芦川いづみ/石崎キクノ(菊奴)=

三橋達也/鰐口貫太

新珠三千代/お銀

宇野重吉/勢五郎(お銀の叔父)

三橋美智也は軍隊時代に貧乏な家の子だということで上官の金が無くなった時に盗みの嫌疑をかけられ徹底的に拷問的なシゴキをされる。一緒に虐められたもう一人は耐えられずに自殺した。三橋は上官を殴って日露戦争ではいつも危ない場所へやられるも奇跡的に生還して一念発起して女郎屋やってのし上がろうと元女郎の新玉美千代と一緒に京都にやってきた。

今回いづみはかなり可哀そうな役でした。明治時代末期の京都伏見で三橋美智也が開業した女郎屋に売られて来た少女。当時だからミドルティーンの設定だと思いますがいづみは21才。でも童顔のため十代と言われても疑いません。しかも処女のまま客をとらされます。(ここだけが三橋美智也の褒められるところ、いづみほどの女を自分が最初に味味しないのはえらい。まあ、それだけにいづみのことは一人ではなくて完全に「金」としてしか扱わないのだが。。)

最初の仕事で部屋の隅で泣くいづみ。相手はやさしそうな旦那でした。

最初は三人の遊女だけで始まった貫銀楼という廓。

この横から遊女が客見せの為に並んでいるショットが哀れだ。(これが正面から客の立ち位置で見る分には華やかな感じになるから不思議だ)

現代なら自分のカードローンの為とかホストに貢ぐためとかまあとにかく稼いだ金は自分に返ってくるが。彼女達は前金を親がもらっていたり、近親者の借金の方に連れてこられてるのでいくら身体張っても自分には見返りがないのだから。

途中いづみは妊娠してしまい、最初についたやさしそうな旦那になんとかしてもらおうと手紙を出して待ち合わせたりしてる。

以外にすぐ抜け出せてしまうのね。(それだけに三橋美智也の廓はすぐ足抜けされてしまう。)だが結局買春宿で女買うような男は結局いづみからにげてしまう甲斐性なしであった。いづみももっと大旦那と馴染になっていれば水上げしてもらって家の一軒ももらって妾生活ができたかもしらん。(しかし当時は生中当たり前か、いいのか悪いのか、シャワーとかがないのが潔癖の僕にとっては嫌だな)

映画の途中で娼妓の仲買人の殿山泰司が足抜けを裏で糸引いていたということでやくざの親分がきりきり舞いませましょうと言ってやくざから竹で叩かれながら拍手で拍子とってねずみや牛の形態模写させられる(へんな踊りみたいになる)のだが「きりきり舞いってこっから来てたんだ」と新たな知識をいただきました。

また話の途中で「救世軍」といってキリスト教系の新興宗教団体が女郎達に法律があって止めてもいいんだというチラシを密かに配って回っている。この救世軍、調べたら1865年イギリス発祥で1800年代に既にかなり全世界に勢力伸ばしていて、現在の日本支部は神保町にある。牧師のことを士官と呼び、階級に軍隊制度を入れていて軍と称していた。明治33年から芸娼妓廃止運動をしてたという(ウイキより)

いづみにもチラシが渡されいづみは藁にもすがる思いだが実際に救世軍がなにかするというわけでなく自分で交番にいって法律に則り廃業宣言しろという。映画中でも救世軍は地元のヤクザに散々叩かれていた。三橋美智也はその罪被ることでのし上がるのだが。

そしていづみは川に身を投げた。

手には救世軍のチラシが握られていた。うえーん。

三橋は軍隊時代の弱いやつと同じだというのだった。

三橋はまだまだのし上がると意気を新たにするのだった。

 

江戸の小鼡たち 1957年10月  芦川いづみ21才

江戸の小鼡たち

芦川いづみ/おきん

津川雅彦/次郎吉

長門裕之/池田格三郎

主演は津川雅彦で目の下が垂れてる顔しか記憶がない僕には別人のような良い顔であった。江戸の太陽族を描いたということだが、なんかこれはロールプレイングゲームだなと思った。セット作りの狭い地域の中だけでみな徒歩であっちこっち行って話をつくっている。チャンバラも少しあるが他の時代劇のようにブサブサ切合うことはない。日活(水の江瀧子)差別化したかったのだろうけどなんか箱庭的にこじんまりしてしまった。

津川といづみは貧乏長屋の隣同士に住んでいて幼馴染。津川は仕事はけんかしてやめてぶらぶらしてる。

いづみは茶屋の娘をしている。

当時の茶屋は現代ではメイド喫茶みたいなもので給仕の娘目当てにくる客が多くて浮世絵が刷られたりしてアイドル扱いだ。有名なのは笹森お仙だ。

長門裕之は同心の息子で侍でいづみの店に入りびたり。店に入ると「若様」といって娘達が寄ってくる。ああ若様になって町娘とイチャつきたいのう。

話の流れとしてはやくざが商人や上級の御家人と組んで密輸をしており、それを暴いて悪を退治するのが本筋でその間に津川の博打ばっかりの父親がやくざの親分にこ◯されたり、長屋を取り壊して繁華街にしてしまおうとかの話が入ってくる。

長門裕之は「権勢に媚びて悪い者を追及出来ない親父は嫌いだ。俺は真っ直ぐな人間が好きだ」といいながら親父の金をくすねて遊んでいるのでこっちのがよほど悪なのだが。。そのうち家出していづみの家に転がり込みいづみに迫って嫌がられ、出ていけと言われる始末。

最後のほうはやくざの子分になったいた津川が親分をうらぎり、情報提供により密輸に関わる悪人たちの捕物となる。ところでなにを密輸していたか気になっていたが最後まであかされませんでした。

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