亜人って題名で損してないかな「ながいく~ん」ー亜人ー映画、漫画レビュー

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(C)2017映画「亜人」製作委員会 (C)桜井画門/講談社 (C)東宝

 

アマゾンプライム作品(無料)に追加された亜人、映画見ました。面白かったので次に亜人漫画版も読みました。読んでみたら原作は結構な骨太ストーリーでした。簡単に言うと亡くなってもすぐにシュワシュワ煙が出て元通りに体がリセットされて、おまけに黒い強力な分身を操る能力を持つ新人類「亜人」を核に描かれるストーリーです。日本乗っ取りを目標の「亜人」の集団と政府機関+政府側亜人集団との戦いが主な筋。主人公(永井)こそ映画は大学生、漫画は高校生といかにも日本人が発想するキャラですが敵対する同じ亜人の悪役キャラである(佐藤)のエッジが立ちすぎていて作品に引き込まれます。

今ならアマゾンプライムで亜人は無料で見られます。

漫画は2019年7月現在14巻まででており月刊グッドアフタヌーン(講談社)にて連載中

映画はこのうち10巻あたりまでを一部ストーリーや出来事を改変しつつもうまく原作に沿った形で描いている。漫画は2012年から始まっているようで僕の好きそうな題材で前から知ってたのだけど「亜人」という地味な題名、そして表紙にある黒い包帯の人形が中2臭くて読んでいませんでした。しまったな。

映画データ

公開:2017年9月 配給:東宝 109分 興行収入14.4億円

・映画の主な配役

主人公の大学生(亜人)、永井圭/佐藤健
亜人テロリスト首謀者(亜人)、佐藤/綾野剛
佐藤の部下的テロ共謀者(亜人)、田中/城田優
亜人管理委員会職員(人間)、戸崎優/玉山鉄二
戸崎の個人ボディガード(亜人)、下村泉/川栄李奈
永井圭の妹(人間)永井真理子/浜辺美波

 

内容

漫画と映画を対比させつつ映画に沿った内容と感想を書きました。

・不死能力を暇つぶしに使う佐藤。

サブカル界の雄鶴見済の名言「人生とは死ぬまでの暇つぶしである。」これを忠実に実行しているのが敵方の首領佐藤である。
映画だけだと佐藤のバックボーンがわからないが、漫画には過去が語られている。彼は米国生まれで母が中国人、父がアメリか人のハーフだ。幼少時代から生き物をあやめたり等他社の命に対する感覚が希薄であった。海兵隊に入隊後直ぐに兵士としての能力を認められアメリカ軍の架空の超精鋭特殊部隊「チーム」のメンバーになる。(ここは素直に特殊部隊の中の特殊部隊デルタフォースでないのは海兵隊だから?)ベトナム戦争終結後の捕虜救出特殊作戦において隠密行動がうまく行きかけた中でわざと敵の真ん中で発泡し、乱戦にさせて楽しむという、まだ自分に不死能力があると分かる前からサイコパス的ゲーム感覚的な行動にでる。結局その作戦で足を失い、除隊後に実は叔父が中国マフィアのボスだとわかりスカウトされ、抗争の中で叔父共々やられて初めて自分が不死だとわかる。生き返る時に足も再生、その後は自分の気分のままなデンジャラスな生活を送ってきたようだ。
好戦的なサイコパスに不死再生能力をもたせてしまったという最凶な人物。しかし漫画では普段の言動は非常に温厚な印象。映画の綾野剛の演技だと低い声でイッテQのナレーターのような芝居がかった喋り方をしてるが、自分が感じたところの漫画版は顔の表情ば笑顔がデフォルトだし喋り方は大沢たかおみたいな普通な感じで脳内再生されてた。
一応の目標として日本支配を掲げている実際は自分が楽しめれば何でもいい。たまたまそれが戦いだったみたいな感じ。漫画だと性格も飽きっぽくて政府を脅すために立てたあんさつ目標人物リストも途中まで実行したあと2,3人残っているのに飽きたという理由でホオリ投げたりしている。亜人であっても老化はするようで漫画だと最初に不死再生したのはおそらく30歳代くらいだがテロ事件を起こす際は50歳代になって外見も老化して描かれている。漫画のセリフで亜人も寿命ではしぬと言われている。映画版だともっと若い設定。
まあこの佐藤いい意味でいうと自分に与えられた運命を最大限楽しもうという、これはある種悟りを開いている。(まあこの人物設定はナチュラルボーンキラーとかの映画でもよくある)

・着想はゲームからだろうなと思ってたら漫画作中で言ってた。

最初に受けた印象は、あ、これGTAと同じだと思った。街中でドンパチやってやられたら復活する。僕もGTA4とGTA5を持ってます。やってみればわかりますがいろんな意味でストレス発散できるでしょう。とにかく自由度の高いゲームです。自由度が高いスカイリムはファンタジーワールドですが、こちらは現代アメリカが舞台です。

(GTA:グランドセフトオートは全世界で最も売れているゲームソフトでありGTAVは全世界で1億1千万本、60億ドルの売上がある(wikiより))

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好き勝手にガンガン撃つ、亡くなってしまえば直ぐに復活。作者はゲームから着想を得たと思われます。漫画の中でも最初に佐藤が生き返る時にコインをゲーム機に投入するシーンが挟まれて今からリセットだいう象徴シーンがあり、佐藤が現実をゲームに置き換えて始めるということがうまく表現されています。

・物理法則に合ってないのだがそれでも引き込まれるのはリアルさを保ってるから

ちょっと逸れますがかつて600万部超えを誇っていた少年ジャンプが今は200万部以下になってしまったのはなんでだと思いますか?

僕はこれ少年漫画っていわゆる空想の話なんですが、キャラだけが空想で現実社会で暴れるという話であるうちは良かったんだけれども作中の世界そのものが空想の世界になってる漫画が増えてしまったからではないかと思います。代表的なのはドラゴンボールとかワンピースとかですね。昔の漫画はあくまでベースは現実社会、そこに主人公が苦闘しながらも友情、努力、勝利で困難を乗り越えていくというところで読者は共感できていたと思うんです。ジャンプでいえばドーベルマン刑事とかウイングマンとかですかね。現実で空想キャラが活躍するからこそ読者は自分の生活圏に照らし合わせて共感や夢想ができる。あと現実の地名とか建物名とかでてきたほうがリアル感がまして没入しやすくなる。それが全く架空の世界になると結局なんでもありになって読者はおいてかれてしまう。結果脱落で買わなくなる。

・・・以上僕がジャンプを買わなくなった心の過程を書きました。

その点でいうと「亜人」はあくまで現実社会に現れた怪物にどう対応するかとしての対応をしている。漫画のほうでは亜人と再生に対してそれなりの解釈をつけ、アメリカ等の亜人研究状況等も描かれてうそっっぽくならないように描いている。亜人は体の一部分さえ残ればまた全身を再生できてしまうが「その体を構成する物質はどこから湧いてくるんだ?」の疑問に対しても一応の説明をつけている。

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不死になる。自分の分身の幽霊を出せるという設定だけであそこまで地に足つけた話の大幅な展開をできるのは原作者、たいしたものだ。

なに目線だよ

 

・主役を食ってしまう綾野剛の佐藤。「ながいく~ん」

映画も漫画も正直言って真の主人公は敵方の「佐藤」のほうである。特に映画版はこれを綾野剛が演じているが喋り方がすごく独特でいつもの綾野剛ではなくて、「あれこの人だれだっけな?」「見覚えあるんだけど思い出せん」という感じ。若いんだか年寄りなんだか、やさしいのか怖いのか、まともなんだかくるってるのか、得体のしれない感じがずっと漂っていてまるでターミネーター2の液体ロボットのような不気味さで迫ってくる。

完全に主役の佐藤健を食っていました。「佐藤」の存在が全体の出演者の7割のオーラを持っていってます。

ちなみにこの映画で綾野剛がいつもかぶっているハンチング帽なかなか格好いいので僕も買いたくなってしまいました。パーリーというメーカーだそうです。

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帽子は酸性雨から頭皮を守ります。

ほぼ最高に可愛い時期の2017年の浜辺美波ちゃんも出ています。

それと最近妊娠結婚騒ぎがあった元AKB川栄李奈演じる下村泉、映画ではなんか変な髪形だなっと思ってましたが漫画に寄せてたんですね。いやそこはもっと美人系のヘアスタイルにしてほしかった。この下村泉も僕としては漫画よりも出来がよかったんじゃないかと思います。川栄ちゃん運動神経もいいし「黒ちゃん」の叫び声で黒幽霊呼び出すところなんかもかっこいいっす。

別のクロちゃんでてきたらどうする

・幽霊(IBM)はジョジョのスタンドのパクリと言われてしまうのだが

亜人の分身として亜人粒子で構成される黒い幽霊、漫画版ではIBMともいう、これは可視光を透過させる未知の物質でできているため人間には見えず亜人には見える。ま、スタンドのぱくりといわれてしまっても仕方ない。漫画だと亜人も10人くらい登場してきて空とぶ能力あったり二人操れるやつあったりして10巻読み終える頃には全然違和感無くなってる。これはこれでありかなという感じ。13巻あたりでは佐藤が自分の幽霊に自動リセット機能(麻酔銃撃たれて本人が活動停止した時に幽霊がリセット(こ○して)くれる。)もたせてありさらに最強感がましてます。

・展開のテンポがよくていつもの邦画の悪いお約束シーンもそれほどなかった

邦画によく見られる悪い例として、

[戦いのさなかに仲間がやられる]⇨[悲しい音楽が流れて涙の別れのシーンが入る]⇨[その間なぜか敵は攻撃を中断又はストップ・ザ・ワールド]⇨[見ている僕はイライラ]

この流れが皆無だっただけでも褒めて上げたい。幽霊のCGもそこそこリアル感があってよかった。ただ佐藤の仲間の亜人が都合よくアホになってしまうのはいかん。

それと漫画読んでない人が映画見ると「あんだけスマホ使ってたら隠れ家すぐバレるだろ、ソフバンと特殊契約でもしてんのか?」などと思ってしまいますが漫画では一応逆探知も佐藤グループでは考慮に入れているので作者は全く無視しているわけではなかった。

なんにしてもこの亜人、邦画として一段階上がったのは間違いないだろう。

・続編はあるのだろうか

映画のラストシーン、漫画ではひたすら亜人対策として麻酔銃で対抗していたが、映画ではターミネーター2のやり方で佐藤を倒していたが、最後にチラッと映るシーン(永井とは別の)で続編があるような終わり方をしている。

これは続編あるでしょう。いや作ってください。

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