夢は夜ひらく 1967年1月 陽子24才
山本陽子/片桐洋子
渡哲也/片桐誠
園まり/矢沢マリ
高橋英樹/岬克也
夢は夜ひらくって歌、藤圭子のものしか知らなかったけど、実は数限りない人々がレコード出してたんですねえ。この映画の園まりの歌はその中でも古いほうだった。映画の中で三回くらい歌っていた。高橋英樹が相手役で渡哲也も出て来るが完全脇役で高橋英樹の引き立て役に回っている。山本陽子もマネージャー役の脇役。
神戸から東京へ高橋英樹が園まりに会いにくるのだが、高橋英樹を狙って名古屋章と平田大三郎が追ってくる。しかし、目立ったアクションシーンはなく、渡哲也に至ってはほんとに喋るだけ。なんか園まりと高橋英樹のデートシーンばっかりという感じ。
ドリフターズもコメディ要員で、割と尺が多く出てくる。横浜ドリームランドは当時から夜10時まで開園していたというミニ情報が入る。
最後はいつものテンプレ通り高橋英樹は船に乗って去っていく(ブラジルへ)。
関東刑務所帰り 1967年12月 陽子24才
山本陽子/雪絵
高橋英樹/政吉
和田浩治/素っ飛びの半次
時代は多分昭和初期。港町を仕切っている花笠組(親分は大坂志郎)の縄張りを悪辣な手段で乗っ取ろうとする河出組(親分葉山良二)の話を軸に高橋英樹が大坂志郎側で大立ち回りをする任侠物。
山本陽子は大坂志郎の娘として出てきてすぐに高橋英樹を好きになる。
「出身はどこ?」と高橋英樹に聞くと「言えるようなところじゃありません」と、返されて「わたしにも言えないんですか?」と女の自信たっぷりな物言いが良いねえ。
陽子は特に危機に陥るわけでもなくやくざ家業はやめたいと高橋英樹にいう。
この映画面白いとこが二つあった。一つはいつもは悪側の深江章喜が善側になっていて、逆にいつもベビーフェイスの葉山良二が悪役になっている。
50作に一作くらいは深江章喜にもいい役を与えようという日活の配慮なのか、いつも悪役ばかりだと子供がいじめられたりしそうだからねえ。
もう一つは話のラストに向かって善側に犠牲者が増えて高橋英樹が一人で殴り込みをかけるのだがいざ殴り込みの場面になると急に雰囲気が変わって尺八の音がBGMに流れてきてなにかテレビドラマ的な演出になり、あれ?なんだか様式美になってきたぞと思っていたら高橋英樹が敵を切ると…
「ひとぉーつ!」、二人きると「ふたぁーつ」と言い始めたではないか!
お、これでは10年後の1976年に高橋英樹が演じることになるテレビドラマ桃太郎侍のクライマックスの殺陣、桃太郎侍数え歌てはないか!
後の桃太郎侍の原点がここに
ということで今ヤフーで調べたら数え歌は高橋英樹のアドリブから始まったとかスタッフが考えたとかあり、30話くらいから始まったそうだが、ここからの(敢えて)オマージュだったのねえ。
しかし、この映画なかなかいい題材を揃えている。自分の仁義を通す雇われこ◯しやとか、シカゴの出入りはこんなもんじゃねえとかいう岡田真澄とか、僕なら岡田真澄が密輸してきたトンプソンでドスを手に向かってくる敵を一掃して「ギャングの本場シカゴを舐めるな!」とかやったらオモシロそうだが。
まあ桃太郎侍持ち出されたらしょうがない。
最後は続編がある感じで高橋英樹は刑事の高品格と去っていく。(高品格は出入りの前に傘を貸してくれたのは黙認するってことじゃなかったのか)
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