北上夜曲 1961年5月 智恵子16才
松原智恵子/須田志津子
川地民夫/白土敬介
小高雄二/山田良一
南寿美子/横田明子
近藤宏/藪小路麿人
「きたかみやきょく」と読む。白黒映画。60分程度の短い映画。であるが、なかなかにファンとしてはグサっとくる内容である。智恵子はデビュー直後、若々しく美しい。岩手県北上川付近で早くに両親を亡くしてしまっている智恵子は父親の親友だった白土家に養われていた。白土家には智恵子より1つ上の一人息子がおり、智恵子とは愛しあっており、両親に結婚したいと言おうとしてる。智恵子は18才の設定で「私も働きます」という。この家(羊飼ってる)もあまり裕福でなさそうだが息子の敬介は東京の大学に行くことになる。(陸上の選手らしいのでスポーツ特待生?)敬介は先輩の著書の出版を手伝うが先輩の元カノの明子(南寿美子)が先輩を逆恨みしたとばっちりで智恵子の元に帰る約束を守れなくなる。智恵子は地元で名家の息子から強引なプロポーズされるが敬介が気になり返事を延ばし延ばしにしていたが敬介からの手紙も来なくなり、ついに東京に会いに行く。しかし嫌なやつの藪小路の手引きで南寿美子が敬介にベッドでのしかかっている場面を目撃してしまい、自暴自棄になり、走り出した。
藪小路の手引きで
敬介の醜態を目撃させられてしまう。
自暴自棄になっている智恵子は藪小路の車に乗ってしまう。あれ?啓介のほうが藪小路より先に智恵子を追っていったはずなのになぜか藪小路が車で先回りしている。
ここからが鬱展開。ドサクサで藪小路の運転する車に乗ってしまい、海辺に連れていかれてレイープされてしまう。まあ、野郎が智恵子に覆い被さる場面でカット入るイメージシーンなのだがすごくショックだった。なんであんな大川会長と的場浩司混ぜたようなやつにやられなければならんのか。傷心の智恵子が電車に飛び込もうとしたところ、危うく先輩(小高雄二)に止められる。先輩は「ショックだろうが交通事故にあったと考えるんだ」、などと慰めるが慰めてほしいのはファンのほうだわ。その後唐突に藪小路のやつは事故死してしまうのだが全然溜飲は下げられなかった。最後は敬介と智恵子が故郷の石碑の前で抱き合うところで終わる。
ところで本作の智恵子は確かに美人なのだがなんかビジュアルが違う。エキセントリックというか南米系というか、既視感あるなと思ってたらなんか八代亜紀と似たビジュアルになってませんか?
まだ幼い智恵子は訳もわからず脚本通りに演じたんだろうな。
大人と子供のあいの子だい 1961年7月 智恵子16才
松原智恵子/坂口智佐子
浜田光夫/平井明夫
この映画(白黒)はあくまで浜田の中三の少年の物語で智恵子はちよっとしか出てこない。テロップにも松原智恵子(新人)と出てくる最初期の映画だ。
話はダメな親父がいる貧乏な家の浜田が悪戦苦闘する様が描かれる。(なんでも実在したある中学生の日記が元になっているとのこと)
最後のほうになんとなく良くなってきたなと思ったら残り5分で一気に暗くなったりしてスカッとした終わり方ではないが最後俺達の旅みたいな主人公の独白が画面に文字で映し出されておわる。
この映画後のふぞろいの林檎たちで中井喜一の良雄の母の佐々木すみ江が友達の母役で出ている。こんな昔から母親役かよと思ったがまだこの時33才だそうな。浜田が姉の手紙を彼氏に届けにいって揉めるときに強風が吹いてるシーンが印象的。
智恵子は浜田と同じクラスで同じく貧乏で母の具合が悪い時は学校休んで駅の売店に出ている。浜田が不良グループに殴られた後に出て来たり、浜田が生徒会長に当選したときとかにセリフがあるがすでに後年のエレガントな佇まいを醸し出している。
生徒会長に当選した浜田光夫に握手を求めるセーラー服の智恵子
しかしこのどん詰まりな映画の中智恵子の周りだけ違う雰囲気が流れていた。
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