芦川いづみ-いのちの朝-青春を返せ(映画レビュー)

映画 ドラマ
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いのちの朝(白黒)1961年7月 いづみ25才

いのちの朝

芦川いづみ/吉元冬子

宇野重吉/吉元小次郎

高野由美/吉元純子

小園蓉子/小田春子(結婚した冬子の姉)

(画像はカラー化しましたが白黒映画です。)

青い山脈で芦川いづみの美しさに気がついて、ネットで評判のよかったいのちの朝をみた。話の筋は非常にスッキリしていて売れない画家の父をもついづみが家計のため保険の外交員をし、さらにえいが中盤から父の人物画のモデルとして二人三脚でがんばる様が自然の多い実家周辺を舞台に清涼剤のように描かれる。

この映画見る前に和泉雅子のおゆきさんみたが宇野重吉は同じ父親役でも特に力込めるわけでもなく、自然に違う人物を演じ分けていてうまい。

いづみをモデルにして絵を描くのか主軸になっているためいづみの顔のパーツのアップシーン、立ち姿のシーンとある意味フェチ的なファンさえ満足させてしまう画作り。


いづみの笑顔、泣き顔、スキップシーンとかいづみのPVのようでもある。

題名にいのちが入っでいるので絵が完成したら親父死ぬのか?と想ったがそんなこともなく穏やかに丸く収束した。なんかじ~んとした映画だった。

 

青春を返せ 1963年5月 いづみ27才

青春を返せ

芦川いづみ/須田敦子

長門裕之/須田益夫

芦田伸介/遠矢(元刑事でいづみを助ける)

大滝秀治/間島弁護士

清水将夫/一ノ瀬弁護士

藤竜也/高木

 

これは前から見たかった映画だ。

出だしはいつもの日活青春映画のような貧しいが明るく希望にあふれる場面から始まる。

しかし、近くで殺人事件があったとの凶報から一転、長門裕之が殺人の冤罪で捕まり。事件の夜に長門が被害者宅を訪れていたことから長門が犯人になるような事案がいくつか浮かび上がり犯人として逮捕されてしまう。拷問のような取り調べで自白させられて裁判となり、死刑が言い渡される。

このあたり、別の映像で真犯人を映すようなものもなく、もしかしたらほんとに長門が犯人なのかもと見る者が疑念を抱いてしまうようなつくり。

この時についた弁護士がくそなやつでいづみが必死に冤罪腫らしてくれと頼むのに「彼が犯人ではないと思っているが、私はもう無理。他の弁護士に頼んでくれ」と冷たく突き放す。

こいつ(大滝秀治)の顔が前に僕が会社でそいつと他一人にしか頼め無い調べもの頼んだ時に「私は他にもやることがあるのでもう勘弁して下さい」と放棄して逃げた会社の奴に顔がにていてムカムカした。

長門が死刑判決受けたことはニュースになり、一家は迫害を受け、母親は心労で自殺。いづみがOG(オフィスガール)として働いてた会社も辞めさせられる。芦川いづみは冤罪を覆すために一人で必死にがんばる。ヘビーだ。

途中で年配の男芦田伸介がいづみの働くバーに現れ、なにくれとなく助言や支えになってくれる。この男は以前刑事で冤罪で人を死刑にさせてしまった過去があり、贖罪的にいづみを助けるのだ。この男との絡みのなかで証拠の一つとなっていた布についたルミノール反応が薔薇でも誤検出されることが分かり、布を売った行商人のおばさんの我孫子の家に行った時に薔薇園を見た時のいづみの笑顔が惟一の明るくなるところだ

他には芦田伸介との出会いの会話の中で見せる笑顔くらいだ

他の証言もいづみの聞き込みで実は時刻等があやふやでその時の何気ない刑事との会話が重大な事案へと固められていってしまっていたことがわかる。

この聞き込みの途中で藤竜也と絡むシーンがある。どうみてもこいつが怪しかったがやはりこいつが真犯人であつた。

当時の駆け出しの藤と看板女優いづみでは圧倒的な格の違いがあるはずだがこの頃から藤はいづみを狙っていたのだろうか、その後の電撃的な藤竜也と芦川いづみの結婚、そしていづみの家庭に入るから引退へと繋がっていく…(泣く顔文字)

冤罪の証拠がでたところで芦田伸介がならばこの弁護士に頼めば覆せるだろうという敏腕弁護士の一ノ瀬を紹介するが有能な弁護士ゆえに事件を何件も抱えていて初めは何度たのんでも断られ、一度はいづみも挫折しかけるが奥さんと情を通じて担当してもらえることになった。(この時、もう来るなと言う弁護士の抱える書生の男が小憎らしすぎた。ここではいづみのお色気で味方にひきいれてもいいんだと思ったがこの映画のいづみはバーのホステスやってる時も真面目で最後まで清廉です。)

最後に強制自白に追い込んだ今は刑事を辞めた男に承認になってもらうように頼み込みに行ったがこいつも自分の事だけ最優先で嫌だ嫌だ言う。だが悲しいかなこの男の息子がトラックに惹かれるところをいづみが身を挺して救ったことで証言台にでることになったが代わりにいづみが…

おい、おい、悲劇にしないのが日活映画のいいところじゃなかったのかよ。

仮出所で最後に会いにきた長門にいづみが「好きな人がいる」と言ったのは芦田伸介のことだったのか、しかしこんな一生があっていいものだろうか。

これ、実話なのか?と思って調べてみたら免田事件、島田事件、松山事件、財田側事件、などの死刑から無罪になった事件があるが特にモデルケースはなかった。上記4件はこの映画制作の数年前に寃罪確定してるものなので原作の赤木慧がインスパイアされて創作したものであろうか。

芦川いずみの映画はアマゾンプライムで見られます。

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